後遺障害認定や示談交渉に関するよくある質問
後遺障害の認定で必要となる知識や、示談交渉の際に起こりやすい
トラブルを集めて、FAQ形式でご紹介します。
Q1.後遺障害診断書の文字が“達筆”過ぎてよく読めません。どうすれば読めますか?
Q2.診断書に「頚椎捻挫」と書かれていました。首だけでなく上腕や指先もしびれているのに、
「椎間板ヘルニア」との違いはどこにありますか?
Q3.後遺障害等級認定票を見たら「非該当」の理由として、「神経学的異常所見が認められない」
と書かれていました。「神経学的検査」って何ですか?
Q4.「むち打ち症」で後遺障害14級と認定されました。異議申立てをしたと思いますが、
12級との違いはどこにありますか?
Q5.よく「後遺障害」という言葉を聞きますが、そもそもどのような認定基準があるのですか?
Q6.交通事故後の通院している際に損保会社から一方的に治療費給付を打ち切る連絡が
来ました。
Q7.過失相殺とは何ですか?
Q8.病院で、「症状固定」と言われました。どういう意味ですか?
Q9.賠償金や慰謝料は課税対象になるのでしょうか?
Q10.貴事務所に後遺障害異議申立てを依頼した場合、申立てが認められる確率はどの程度ですか?
「後遺障害診断書」の文字が“達筆”過ぎてよく読めません。どうすれば読めますか?
医師の方は本当に“達筆”揃いですね。私も、毎回苦労します(笑)。
最もよい方法は、保険会社に頼んで『後遺障害事案整理票』を作成してもらうことです。しかし、それにはある程度の時間がかかりますので、お急ぎの方には、以下の方法をお勧めします。
例えば、後遺障害診断書の他覚的所見欄に「頚○捻挫」とあって、○部分が判読不能だったとします。その場合、医学事典の索引で「頚」から始まり「捻挫」で終わる単語を探し、診断書の文字に当てはめてみます。それが正しかった場合は、「○」は「椎」を崩した文字であることがぼんやりと見えてきて、なるほどと頷かされます。
上記で分からない場合は、保険会社から取寄せた経過診断書の所見欄を見ます。すると、同じような文脈の中に、似たような文字が出てくることがあります。その場合、やや読みやすく書かれている場合もあるので、「○」は「椎」だったのか、と理解出来るようになります。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
診断書に「頚椎捻挫」と書かれていました。首だけでなく上腕や指先まで痺れているのに、「椎間板ヘルニ」アとの違いはどこにありますか?
交通事故で首を損傷すると、よく「頚椎捻挫」と診断されます。一方、似たような症状を持つ傷病名に「椎間板ヘルニア」があります。この2つの違いは分かりにくいですね。
一言でいえば、神経の損傷を伴わず椎間板の軟部組織だけが損傷した場合を「頚椎捻挫」、椎間板の中の髄核が外部に突出し、脊髄や神経根を圧迫した状態、すなわち神経損傷を伴うものを「椎間板ヘルニア」と言います。
神経損傷があるかどうかは「神経学的検査」を行うと分かります。首だけでなく上腕や指先がシビレ感がある人は、医師に頼んで詳しい「神経学的検査」を行ってもらうことをお勧めします。
後遺障害等級認定票を見たら「非該当」の理由として、「神経学的異常所見が認められない」と書かれていました。「神経学的検査」って何ですか?
脊髄は、背骨を貫いて走る神経の太い束ですが、位置ごとに人体各部に対する異なる支配域を持っています。脊髄と、脊髄から派生する神経根が損傷されると、脊髄の特定の位置ごとに、特徴のある症状を引き起こします。どの位置が損傷しているかは、各種の手技による検査で明らかにすることが出来ます。これらの検査を総称して、「神経学的検査」と呼んでいます。
頚椎の損傷の場合、「神経学的検査」には「徒手筋力テスト」、「知覚検査」、「腱反射・病的反射」等々のさまざまな検査があります。脊髄の特定の位置が損傷したからと言って、必ずしもすべて決まった結果が現れるわけではないですが、重要な手掛かりは得ることが出来ます。
交通事故の被害者の方が持参する後遺障害診断書の中には、傷病名が「頚椎捻挫」であっても「神経学的検査」の記載がないものをよく見かけます。もし、後遺障害の異議申立てをお考えなら、ぜひしっかりとした「神経学的検査」を行ってもらうべきでしょう
「むち打ち症」で後遺障害14級と認定されました。異議申立てをしたいと思いますが、12級との違いはどこにありますか?
「むち打ち症」は、後遺障害診断書に「椎間板の膨隆」と書かれていたり、あるいは「頚椎前弯消失」と書かれたりしていても等級認定されないことがよくあります。一方、左記の検査結果が書かれておらず治療期間もわずか半年たらずでも、14級に認定されたケースがありました。自賠責の中でも、「14級」と「非該当」の間には、はっきりした基準が存在しないのかもしれませんね。
しかし、「14級」と「12級」の間には、明確な基準が存在します。
14級が、「医学的には証明できなくとも自覚症状が単なる故意の誇張でないと医学的に推定されるもの」であるのに対し、12級は、「障害の存在を医学的に証明できるもの(いわゆる他覚的所見があるもの)」とされています(「注解 交通事故損害賠償算定基準」ぎょうせい)。
ここで重要なのは、「医学的に証明できるもの」というくだりです。
「医学的に証明できる」とは、医証と画像所見、神経学的所見の3つ(の他覚的所見)が揃ったもの、一方「推定される」とは、3つが揃わないあるいは、それぞれのつながりは不明確ですが事故との関係を否定まではできないもの、を言います。
医師の中にはこの基準を知らず、あまり詳しい神経学的検査を行わない人もいます。その場合は、ぜひ詳しい検査をしてくれるようはっきりと申し出るべきでしょう。
よく「後遺障害」という言葉を聞きますが、そもそもどのような認定基準があるのですか?
自動車事故による障害が原因で後遺障害が残存していると認定されるためには、以下のような要件に該当する必要があります。
・自動車事故による障害と後遺障害との間に相当因果関係があること。
・将来においても回復が困難と見込まれる精神的または身体的な毀損状態であるこ
と。
・その存在が医学的に認められたものであること。
・労働能力の喪失を伴うものであること。
交通事故による後遺障害は、自動車損害賠償保障法で定められており、1から14級の140種の後遺障害が35種類の系列に分類されて規定されています。
交通事故後の通院している際に損保会社から一方的に治療費給付を打ち切る連絡が来ました。
第三者が確認しにくい症状の場合、3ヶ月から6ヶ月が経過した時点で、損保会社はこのような通知をしてくるケースがあります。
しかし、ケガが完治していないのであれば、今まで通り治療を続けるべきです。
この場合、被害者が自費で払った治療費や、健康保険の自己負担分を、治療終了後にまとめて請求することができます。
もし治療を止めてしまえば、通院交通費、慰謝料、休業損害なども以降支払われないことになります。
過失相殺とは何ですか?
過失相殺とは、被害者にも事故発生の原因が認められる場合に賠償金額の一部が減額されることです。被害者3、加害者7の過失割合の場合であれば、損害額の70%のみ受け取ることになります。
病院で、「症状固定」と言われました。どういう意味ですか?
症状固定とは、傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた医療(実験段階又は研究的過程にあるような治療方法は含まれない)を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態です。医師がそう宣言したのであれば、傷病の症状の回復・改善は期待できません。つまり後遺障害が残っている、ということになります。
賠償金や慰謝料は課税対象になるのでしょうか?
原則的に賠償金や慰謝料は課税対象になりません。ただし、事故により事業用の商品などが破損し、それに対して支払われた賠償金ということであれば課税されます。
貴事務所に後遺障害異議申立てを依頼した場合、申立てが認められる確率はどの程度ですか?
よくお尋ねがありますが、個々のケースにより事情が異なりますので、確率というものはあまり意味を持ちません。というのも、依頼者の方の中には、例え10%でも可能性があればお願いしたいという人もいれば、いやいや80%近くなければお断り、という方もいて実にさまざまだからです。
この両者では、当然異議申立てが認められる確率は、異なって来ます。
では、どのような場合にご依頼をお引き受けするのでしょうか。
後遺障害は、それぞれ等級や症状ごとに、一定の認定要件が定められています。例えば、頚椎捻挫(むち打ち症)における14級と12級の場合ですと、14級は、障害の存在が医学的に“推定”されるだけで認められるケースがあるのに対し、12級の場合は、医学的に“証明”出来る必要がある、といった具合です。
(依頼者の方には、“証明”の内容にも踏み込んで、さらに詳しくご説明しています)
当事務所では、相談者の方から十分な聴き取り調査を行った上で、少しでも要件に該当する要素があれば、それを“可能性”としてお伝えしています。また、新たな検査を行えば、結果によっては確率が高まりそうな場合についても、詳しくアドバイスを行い、異議申立ての可能性を探るお手伝いをしております。
従って、どなたにでも十分納得いただいた上で、ご依頼いただけます。


